釧路湿原ノロッコ号に乗って車内販売のランチボックス弁当を購入した体験談

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時速285キロで走る寿司屋、「おいしい新幹線」の乗車体験談

おいしい新幹線の概要と本ページの目次


グルメ雑誌のdancyu(ダンチュー)には、美味しいものに目がない連中を虜にする会員制の「dancyu食いしん坊俱楽部」があり、全国いろんな所に出没しています。

今回、dancyu食いしん坊俱楽部がJR東海と話しを付けて初めて開催された、東海道新幹線「こだま」号の車内を寿司屋に変える試み、「おいしい新幹線」に、ワイフと共に参加してきましたので、ここにその内容をレビューします。


(こだま721号のグリーン車を1両貸し切りにして、開催されました)


【目次】

おいしい新幹線とは?・・・JR東海とdancyuの初の特別企画
協力した東京四ツ谷の「後楽寿司 やす秀(みつ)」とは?
東海道新幹線の貸し切りグリーン車で提供された本格的江戸前寿司の驚愕





おいしい新幹線とは?・・・JR東海とdancyuの初の特別企画


先述したように、dancyu食いしん坊俱楽部とJR東海のコラボ企画です(何気に出版社のプレジデント社も参加している)。企画を現地で運営するのは、JR東海ツアーズとなります。

単なる移動手段と化して、ビジネスライクな感じになった東海道新幹線に、「再びワクワクを取り戻す」というコンセプトのもと、今回(2024年3月24日の日曜日)、おいしい新幹線プロジェクトの第1弾が実施されました。

JR東海ツアーズに、発売と同時に申し込み。無事参加が決まって東京駅日本橋口の集合場所に行くと、このような団体旅客用の企画きっぷが渡されました。




今回のおいしい新幹線では、dancyu食いしん坊倶楽部の部長、植野広生さんがJRの制服に着替えてお客を迎えてくださり、鮨トークを炸裂されました。植野さんの話術を楽しめるのも、おいしい新幹線の魅力の一つでしょう。

いきなりネタバレすると、今後も第2弾などの後続となる企画も考案中との事で、おいしい新幹線の企画が継続されることを、鉄道ファン&食い鉄として楽しみにしています(^^♪






協力した東京四ツ谷の「後楽寿司 やす秀(みつ)」とは?


今回、dancyuの企画に賛同して、実際にこだま号の車内で寿司を握ることになったのが、「後楽寿司やす秀(やすみつ)」さんです。鮨職人3名を引き連れ、合計4名でひたすら寿司を握っておられました。食べログの画像に写っているのは、2代目の綿貫安秀さんです。




おいしい新幹線実現にあたっては、本当に新幹線で寿司を握れるのか、何度も乗車して、あるいはJR東海などと打ち合わせを行って確認作業を実施したとの事です。

お寿司は、グリーン車の車販準備室を厨房に見立てて、握られました。鉄道車両に寿司屋の暖簾が掛かっているのはかなりユニークな光景でした。






JR東海のツアーとプレジデント社のプレスリリースを見ると、千代田区保健所から営業許可まで取得するとの事でしたので、完全に飲食店扱いで万全を期しているのが分かりました。これは今後にも期待が持てそうです。




やす秀のホームページを見ると、お寿司コースは上記のような価格帯です。今回のおいしい新幹線は1人55000円。日本酒3本とソフトドリンク、名古屋までの移動料金を含めて55000円なのですから、決して高くありません。



東海道新幹線の貸し切りグリーン車で提供された本格的江戸前寿司の驚愕


さて、いよいよおいしい新幹線に乗り込みます。初の試みだったからか、供食スタッフは発車の直前まで慌ただしく準備しており、私たちが乗り込むのも発車の10分前くらいに。JR東海のオレンジの旗を掲げた添乗員に連れられて、ホームに上がりました。




指定された10号車へ。乗務員に扮した植野さんと、JR東海の広報スタッフに迎えられて、慌ただしく乗車しました。




グリーン車の座席には紙袋が置いてありました。中を広げてみると・・・




神奈川の地酒(スパークリング)1本、静岡の地酒2本、お茶と水、dancyuのコースター、そして、今回の旅にあわせて作られた、おいしい新幹線ロゴ入りのぐい吞みが付いていました。お酒の銘柄もきちんと書いておきますか。

・とんぼスパークリング(神奈川県・泉橋酒造)
・正雪純米大吟醸雄町PASSION-15(静岡県・神沢川酒造場)
・花の舞くらふとなま純米生酒(静岡県・花の舞酒造)





発車すると、さっそくスタッフがワゴンで回ってきました。今回はこのワゴン3台だったかな、これで供食サービスとなりました。




ひとりひとりに手渡されるメニュー。テーブルにはランチョンマット風の紙が敷いてあります。




メニューを見ると、最初におつまみの提供があるはずですが、流れる景色に気分も高まり、待ちきれなくなってスパークリングのにごり酒をぐい吞みに注いで、飲み干しました。旨い!




妻も、非常にゴキゲンでした(^^♪




さて、食事はこのようにして運ばれてきました。箱は木目調ながらもプラスチック製ですが、おいしい新幹線のシールが貼られており、特別な気分になりますね。




植野部長の説明によると、神奈川県猿島産のタコ、カラスミ、房総の鮑などで3種盛りです。盛り付けが丁寧で、感動しますね。メニューを正確に記しますと、たこ柔らか煮、唐墨、蒸し鮑です。とにかくタコが本当に柔らかく、いつも駅弁の固めのタコを食べている私としては、驚きでございました。




こんな感じで、ダンチューの植野さんが名古屋まで喋りっぱなし・笑。話すネタが尽きないというのも凄い人ですね。植野さんの身体は、恐らく口と胃袋で出来ているのだと思います。




で、まってました!「にぎりその1」が配られました。お寿司は江戸前寿司なので、それぞれのネタに一仕事加えられています。故に、(車内で揺れてこぼれるのを防ぐという意味合いも含めて)醤油は抜きで食べていただく、という品々なのでした。




部長の説明では、勝浦のマグロ(赤身とトロ)、猿島のヒラメ、天草のコハダ、唐津のイカです。いやもう、普段食べないレベルのお寿司(そりゃそうだよ、都心で数万円出して食うレベルだもん!)が出てきて、ワタシも大満足ですわ。出来立て握りたて!!




さて、少し待つと、おつまみのその2が運ばれてきました。北海道余市のアンコウ、天草産コハダ、富山産ホタルイカです。メニュー通りに記すと、あん肝、小肌和え、釜揚げ蛍烏賊です。どれも大好物、地酒が進みます。




そして新幹線も豊橋を出発して、あと40分で名古屋到着という事で、果たして間に合うのかと焦りだした頃、最後の握り寿司が出てまいりました。ふたを開けて歓声。凄いです。

伊豆下田の金目鯛、熊本の車海老、長崎対馬の穴子、勝浦の鮪、北海道のウニです。マグロとウニは本来なら海苔で巻いたり軍艦巻きだったりするのでしょうが、新幹線での提供は難しいという事で、それぞれ小丼にして提供されました。マグロはいくつかの部位が入り、海ぶどうがまぶしてあります。

それにしても、全てが美味しい訳ですが、アナゴなど、今までの人生で一番美味しかったかもしれません。ふだん食べている駅弁のアナゴ、あれはいったい何だったのか、と思ってしまうほどであり、罪深い食べ物でした。

アナゴは今は韓国産のほうが値段が高いくらいだとか、これほど捌いて、実際に食べてみないと味の吟味ができない魚はいないとか、解説で色々聞きながら食べています。

江戸前寿司ですから、本来は江戸城のすぐ前の東京湾で採れた魚介類でなければなりませんが、この日は数日来の不漁の影響で、全国からネタを仕入れているとか(というか、そうしないともはや江戸前寿司は提供できない)、そんな話しも聞きながら。




それにしても、マグロもウニも、小さく盛ったご飯の上にネタをどっさり乗せて・・・軍艦巻きよりこっちのほうが美味しくないか??とか思ってしまいます。ウニなんかも、ちゃんとホンモノの生ウニでございまして、感動さえ覚えた次第です。




全ての食事が終了して、どら焼きのお土産(後述)も配り終えたのち、すし秀さんの職人からご挨拶。いやー、みなさんスキンヘッドにしていらっしゃるのだなあとか、妙なところに目が行って、衛生管理とか、気を使っているのだろうなと感心。




職人が引き上げると、すし秀やdancyuの常連客と思しき人たちから、盛んに握手が求められ、美味しかったよ!という掛け声が。今や寿司職人はアーティストであるだけでなく、スターなのだなと思わされました。寿司職人以外、調理人でこんなにもアイドル化した存在って、他に無いですよね?




定刻通り、おいしい新幹線こだま号は名古屋駅に到着。足早に、JR東海ツアーズに引きつられて改札口を出て、そこで解散となりました。夢なのか現実なのか、未だに分からないような、妙な気分になります。もっとずっと食べていたい!名古屋で降ろさないで、博多まで連れていけ!!そんな気持ち。




東京への帰途も、新幹線に乗りました。車内で、銀座の老舗和菓子店「木挽町よしや」の、おいしい新幹線の焼印付きどら焼きを頂きました。これもまた、最高に美味しくてね。そこらのスーパーで買うどら焼きが、食えなくなりますわ。




今回のおいしい新幹線、妻も私も大満足、dancyuもJR東海も、そして後楽寿司やす秀とそれぞれの関係者にとっても、良好な結果になったのではないでしょうか。既に記したように、(或いはリップサービスかもしれませんが)第2弾も何か考えていらっしゃるという事なので、機会があれば参加してみたいと思います。

妻に聞いたら、新幹線に乗って一流の寿司職人のお寿司が食べられるならば、毎回参加してもいいという事でした。私も、今思い出しても、美味しいお寿司の数々が、口の中に蘇ります。それほど素晴らしいものだったと思います。おいしい新幹線、ありがとうございました(^^)/


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